
中村華子(笙)
Hanako NAKAMURA, Sho
国立音楽大学音楽学学科卒業。笙を宮田まゆみ、多忠輝、楽琵琶を中村かほる、雅楽合奏を芝祐靖の各氏に師事。2001年より伶楽舎メンバー。2006年度文化庁新進芸術家国内研修員。
「伶楽舎」メンバーとして国立劇場公演や小中学校公演、海外公演などに参加する他、中村仁美(篳篥)・中村香奈子(笛)との「雅楽三昧 中村さんち」、三浦礼美・田島和枝との笙トリオ「Shogirls」などのユニットを結成し、雅楽の魅力を伝える活動を行っている。
雅楽以外の楽器や他ジャンルの芸術とのコラボレーションの機会も国内外で年々増えている。2011年には「笙とピアノ・映像の融合」(ピアノ:朝川万里)と題したコンサートに出演、気鋭のアーティストたち(楜沢順、中西宣人、エレイン・トマツィ・フレイタス)の創る映像とのコラボレーションに挑戦した。2015年4月には初演(2014年)も手掛けた笙とエレクトロニクスのための伊藤美由紀作曲「不滅の光」の中国初演を成都の四川音楽院で行った他、同年10月カナダのグラン・バレエ・ド・モントリオールのバレエ公演「輝夜姫」に田渕勝彦(篳篥)、角田眞美(龍笛)とともに参加。同作品は、雅楽楽器(笙・篳篥・龍笛)と打楽器による石井眞木の独特の音楽と、巨匠イリ・キリアン振付による現代バレエの傑作で、モントリオールでもその音楽が大きな話題となった。2017年12月には、自らのプロデュースで笙・龍笛・三味線・箏の奏者によるコンサート「はなみやび」を開催。古典と新作を含む現代作品の工夫をこらしたプログラムで、日本楽器の新しい魅力を引き出した。2018年9月には、2001年に創設され現在アジアのトップクラスのアンサンブルとして活躍する韓国のEnsemble TIMFの招きでソウルに赴き、細川俊夫作曲「Landscape V」、藤倉大作曲「Breathing Tides」をTIMFメンバーと共演した。中村華子は今後さらなる活躍が期待されている笙奏者の一人である。